2011夏・西日本無計画のたび ~あるいは眠い眠い日記~ その3 [ぶら旅ニッキ]
クルマは名神高速から中国道に入った。
相変わらず順調に進んでいる。
そして相変わらず眠い。
「眠い」しか書くことがないくらい眠い。
まぶたが開いていても意識が刈り取られそうなくらい眠い。
なんでだ?
眠い眠いとつぶやくばかりのつまらない話をするのも恐縮だけど、この旅行のこの時点において最大のトピックが「眠い」なんだから仕方ない。
普段の生活で「眠い、眠い、だるい」などと連呼するような輩は、だいたいが扱いづらく、鬱陶しくて、たいして面白くもない奴だ。
自省を込めた、わりとそんな感じ?な無責任な決めつけだけど、一般論としても大きく外してないんじゃないかと思う。
この時感じたのはそういうだりーなおめーよー的な眠気ではなくて、ほんとうに眠い、眠い、眠いんだ!
その眠気たるや開いているマナコを無理矢理にも閉じさせるような、はたまた強烈な重力が超局部的に作用して、瞼を強制的に閉じんとするような、なにか超自然的な、あるいはむしろ自然な眠気の話なのだ。
とにかく、この時点では最大の旅の思い出は「眠かったこと」なのだった。
西宮から山陽道に入る。
眠気に耐えかねて淡河PAでわずかな仮眠を取ろうとするが、すぐに起きてまた走り出す。
このエントリがすでに夏休みの旅日記というよりも「眠い眠いの記録」になりつつあり、またこの旅においても“眠気との闘いと共存"は生き残るための重要なテーマになりつつあった。
運転中に夫が眠いと言えば、妻が一生懸命夫の眠気をそらそうと世話を焼き、話しかける。
お茶を飲みたいと言えば、水筒のキャップを外して飲み口の向きを合わせて手渡してくれる。
手を差し出せば”眠気が取れるツボ”を押してくれる。
こんなに嫁がかいがいしく優しいのも我が身可愛さ故だとわかっていても、普段と違って?従順で優しい嫁の気遣いに感動する。
山陽道を西に向かっていた我々はいつの間にか進路を南に向けており、神戸淡路鳴門自動車道というなんだか揉めないように通過順に盛り込んでみました的な名前の道路を走っている。
今になってこのエントリのためにルートを再確認してみたらなんでこのルートを選んだんだ?な気配が充ち満ちていた。
途中までナビの指示通りに来ていたのが眠気のあまり分岐を見落としているのかもしれない。
まあ、目的地には到着できたのであまり考えないようにする。
明石海峡大橋を渡るとこ
今日の夜は香川県・高松に宿を取っており、ようやく四国だと気持ちを盛り上げていたら手前に淡路島が控えていた。
明石海峡大橋を渡っている時に見えた大きな観覧車がSA内にあることを知ってびっくりする。
なんで?観覧車???
観覧車には「わたるくん」も乗っていた。
僕たちは淡路島をぴゅーっと通り過ぎて四国に入るのをイメージしていた。
それが行けども行けどもまだ淡路島。
後で知ったが淡路島は全長約53Kmの大きい島。
そうやすやすとは渡らせてくれないのも無理はないのだった(通過時間的な意味で)。
「淡路島大きいねえ」
「大きいねえ」
10回くらい無意味なやりとりを繰り返し、ようやく大鳴門橋。
眠気はどこかに行ってくれたようだ。
しかし雨が降り始めたせいで観光意欲は急降下。
「淡路島南PAってのがあるよ? 入る?」
「・・・いい(結構です・拒絶の意)」
「大鳴門橋が見えるかもよ? 景色いいかもよ?」
「・・・いい(結構です・拒絶の意)」
うずしおを見る余裕もなく、四国に入る。
ただ高松を目指して走るのみ。
そして夕方、18時。
高松港には海を眺める嫁の姿があるのだった。
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