こたつを出した。 [都内]
土曜日。嫁に放り出された。
文字面ほど物騒なことはなくて、僕が嫁の外出予定を聞き流していただけの話。
それでも急に一人になると、意外にやることが見あたらない。
もちろん『やらなければいけないこと』は沢山あるんだけど、不意の『自由時間』に戸惑って選択肢を絞りきれない感じ。
無理矢理例えると、
お腹もすいたし、喉も渇いた。で、ポケットには100円玉いっこ。
そんな感じ?
いや、だから、“年賀状作れよ”とかはわかってるんだってば。
案のないまま、嫁と一緒に家を出る。
電話機買い換えの下見という名目で有楽町のカメラ屋さんを冷やかした後、カメラ片手にその辺をぶらぶらしてきた。
二重橋前ひろば。
さすがに観光客いっぱい。
でも、後ろを振り返るとさほどでもない。
開けた場所だからか音がこもらず反射せず、じゃっ、じゃっ、と玉砂利を踏む音と、写真を撮るときの“Cheese”的なかけ声が聞こえるくらい。
芝生に寝っ転がってみた…というのは嘘で、カメラだけ地面に置いてみた。
寝転がったらこんな眺めだよ的なシミュレーション。
こんどは地上15センチくらいから。
猫の目線くらい?
こんどはカメラを持ち上げてみた。
ばんざーい、、、ぱしゃっ。
柳を下から見る。
花火みたい。
今日はあったたかったけれど、空の色を見るとやっぱり冬なんだよなあ。
そうだ、こたつ出さなきゃ。
こたつ、こたつ!
ものすごく大事な事を思い出したような気分になり、家に帰る。
そして今になってみると、この前の土曜日は『こたつを出した日』ということになっている。
買い物(の、下見)もしたし、掃除もしたけれど、結局のところ記憶に残っているのは「こたつ」だから、という程度のぼんやり・なんとなくな話ではあるけれど、それでももし一言でまとめるとしたら、“こたつ”だ。
なんだかいい加減でてきとーなものだなあ、と思いながら書いている。
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